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防衛費はなぜ増えているのか|43兆円計画とお金の使いみち

近年、日本の防衛費は急速に増加しています。かつて「GDP比1%」が一つの目安とされてきましたが、政府は2%への引き上げを掲げ、5年間で総額43兆円という大規模な計画を進めています。なぜ今、防衛費が増えているのか。そのお金は何に、どこへ使われているのかを解説します。

防衛力抜本的強化という転換

2022年末、政府は国家安全保障戦略など安保3文書を改定し、防衛力の抜本的強化を打ち出しました。その中核が、令和5〜9年度の5年間で総額約43兆円の防衛費を確保するという計画です。これは従来の水準を大きく上回るもので、2027年度には防衛力の強化に関する経費をGDP比2%の水準に引き上げる方針が示されています。

背景にあるのは、安全保障環境の変化です。周辺国の軍事力の増強や、ミサイル技術の進展、サイバー・宇宙といった新たな領域での競争が激しくなるなか、政府は従来の防衛力では不十分だと判断しました。この方針転換が、防衛費増額の直接の理由です。

お金は何に使われているのか

防衛費は大きく、隊員の給与や食事などの人件費、装備品の購入費、装備の維持整備費、施設整備費、在日米軍関連経費などに分かれます。今回の強化で特に増えているのが、装備品の購入と、弾薬・燃料の備蓄です。

装備の目玉は、相手の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備です。12式地対艦誘導弾の長射程化や、米国製巡航ミサイル・トマホークの導入が進められています。あわせて、有事に戦い続けるための継戦能力として、これまで不足が指摘されてきた弾薬の確保にも重点が置かれています。

また、装備を「持っている」だけでなく「使える状態」に保つための維持整備費や、ミサイル攻撃に備えた基地の強靱化(司令部の地下化など)も強化されています。人材確保のための処遇改善や生活環境の整備も、防衛力の土台として重視されています。

防衛費はどこの企業へ支払われているのか

装備品の多くは、国内の防衛産業に発注されます。行政事業レビューの支出データを見ると、護衛艦・潜水艦は三菱重工業と川崎重工業が、ミサイルは三菱重工業と三菱電機が、戦車・火砲は三菱重工業や日本製鋼所が主要な契約先となっており、防衛費の相当部分がこれら重工・電機大手に流れていることがわかります。

一方、F-35戦闘機やトマホークなどの米国製装備は、FMS(対外有償軍事援助)という仕組みを通じて米国政府から直接調達します。FMSは価格や納期の主導権が米側にあり前払いが原則という特徴があり、その調達額の増大が、国内防衛産業への影響という観点から議論になっています。

在日米軍の駐留経費の一部を日本が負担する「思いやり予算」(正式には在日米軍駐留経費負担)も防衛関係費に含まれます。基地従業員の給与や施設整備、光熱水料などが対象で、数年ごとの特別協定で負担額が決められています。

よくある質問

Q. 防衛費はGDPの何%まで増えるのですか?

A. 政府は2027年度に、防衛力の強化に関する経費をGDP比2%に達する水準へ引き上げる方針を示しています。これは従来の目安とされた1%の倍にあたります。

Q. 増えた防衛費の財源はどうするのですか?

A. 歳出改革や税外収入の活用に加え、法人税・所得税・たばこ税への上乗せによる増税が予定されており、財源確保のあり方が議論の的となっています。

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本コラムは財務省・各省庁の公表資料をもとに作成した解説記事です。最終更新: 2026-07

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