財政のしくみ7分で読めます

国の借金1,000兆円をわかりやすく解説|誰から借りて、どう返すのか

「国の借金は1,000兆円を超え、国民1人あたり約800万円」──こうした数字を耳にしても、実感がわかない人は多いはずです。この記事では、国の借金がどのように積み上がり、誰から借りて、どう返しているのかを、順を追って解説します。

国の借金=国債とは何か

国の借金の正体は、主に「国債」という債券です。国は税収だけでは支出を賄えないとき、国債を発行してお金を借ります。国債を買うのは、銀行・保険会社・年金基金などの機関投資家や、日本銀行、そして個人です。買った人にとって国債は、満期に額面が戻り、利子も受け取れる金融商品です。

普通国債の残高は1,000兆円を超え、日本のGDP(国内総生産)の2倍を上回ります。これは主要先進国のなかでも突出して高い水準で、日本財政の最大の課題とされています。

なぜここまで借金が増えたのか

借金が膨らんだ最大の理由は、歳出が税収を上回る状態が長年続いてきたことです。バブル崩壊後の景気低迷で税収が伸び悩む一方、高齢化で社会保障費は増え続け、その差を国債発行で埋めてきました。リーマン・ショックやコロナ禍のような危機のたびに、大規模な財政出動で借金は跳ね上がっています。

国債は、道路や施設など後世に資産が残る事業に使う「建設公債」と、社会保障費など経常的な支出を賄う「特例公債(赤字国債)」に分かれます。財政法は本来、赤字国債の発行を禁じていますが、税収不足を埋めるため毎年度、特別の法律を作って発行を認めているのが実情です。今では新規発行の大部分が赤字国債です。

利子は誰に払われ、借金はどう返すのか

国債には利子がつき、その支払いは「国債費」の一部として毎年度の歳出に計上されます。利子の支払先は国債の保有者で、最大の保有者は日本銀行です。日銀が受け取った利子の一部は、最終的に国庫納付金として国に還流する面もありますが、銀行や個人へ支払われる分は純粋な財政負担です。

元本の返済は「60年償還ルール」に基づいて行われます。これは、国債残高をおよそ60年かけて完全に返す前提で、毎年度、残高の約60分の1を返済にあてるという考え方です。ただし、満期が来た国債の多くは「借換債」という新しい国債を発行して借り直しており、残高そのものは減っていません。いわば、古い借金を新しい借金で返し続けている状態です。

この構造が持続可能なのは、日本国債の大半が国内で消化され、金利が長く低く抑えられてきたためです。しかし金利が上昇局面に入ると、借り換えのたびに利払い費が膨らみ、財政を圧迫します。金利のある世界における国債管理は、これからの財政運営の最大の焦点です。

よくある質問

Q. 国の借金は返さなくても大丈夫なのですか?

A. 国債は満期ごとに額面が償還されますが、その財源の多くは新たな借換債で賄われており、残高全体は減っていません。将来にわたって利払いと借り換えを続ける必要があり、金利上昇時の負担増が大きなリスクです。

Q. 国の借金が増えると私たちにどんな影響がありますか?

A. 利払い費が増えると、その分だけ教育や社会保障など本来の政策に使えるお金が圧迫されます。また、将来世代が返済負担を負うことになり、増税や給付削減という形で影響が及ぶ可能性があります。

関連する予算項目

ほかのコラムを読む

税金の行方をデータで確かめる

国家予算をインタラクティブに可視化しています

ダッシュボードへ

本コラムは財務省・各省庁の公表資料をもとに作成した解説記事です。最終更新: 2026-07

← 解説コラム一覧