過去20年で国の予算はどう変わったか|歳出・税収・借金の推移
日本の国の予算は、この20年で大きく姿を変えました。歳出は膨らみ続け、税収は危機のたびに落ち込みながらも過去最高を更新し、その差は借金で埋められてきました。一般会計の当初予算ベースで、歳出・税収・公債金(新たな借金)の20年の推移をグラフで振り返ります。
データ表を開く(2005〜2026年度・兆円)
| 年度 | 歳出 | 税収 | 公債金(借金) |
|---|---|---|---|
| 2005年度 | 82.2 | 44.0 | 34.4 |
| 2006年度 | 79.7 | 45.9 | 29.9 |
| 2007年度 | 82.9 | 53.5 | 25.4 |
| 2008年度 | 83.1 | 53.6 | 25.3 |
| 2009年度 | 88.5 | 46.1 | 33.3 |
| 2010年度 | 92.3 | 37.4 | 44.3 |
| 2011年度 | 92.4 | 40.9 | 44.3 |
| 2012年度 | 90.3 | 42.3 | 44.2 |
| 2013年度 | 92.6 | 43.1 | 42.9 |
| 2014年度 | 95.9 | 50.0 | 41.3 |
| 2015年度 | 96.3 | 54.5 | 36.9 |
| 2016年度 | 96.7 | 57.6 | 34.4 |
| 2017年度 | 97.5 | 57.7 | 34.4 |
| 2018年度 | 97.7 | 59.1 | 33.7 |
| 2019年度 | 101.5 | 62.5 | 32.7 |
| 2020年度 | 102.7 | 63.5 | 32.6 |
| 2021年度 | 106.6 | 57.4 | 43.6 |
| 2022年度 | 107.6 | 65.2 | 36.9 |
| 2023年度 | 114.4 | 69.4 | 35.6 |
| 2024年度 | 112.6 | 69.6 | 35.4 |
| 2025年度 | 115.5 | 78.4 | 28.6 |
| 2026年度 | 122.3 | 83.7 | 29.6 |
出典: 財務省「一般会計歳出・歳入の推移」等をもとに当サイト作成。いずれも各年度の当初予算ベース。決算では補正予算により、とくに危機対応の年度は歳出・公債金がさらに大きくなる。
歳出はこの20年で約1.5倍に膨らんだ
20年前の2005年度、一般会計の当初予算は約82兆円でした。それが2025年度には約115兆円、2026年度には約122兆円へと、およそ1.5倍に膨らんでいます。グラフの一番上を走る青い線(歳出)が、右肩上がりで伸び続けているのがわかります。
増加の中心にあるのは社会保障費です。高齢化の進行で年金・医療・介護の給付が年々増え、制度を変えなくても費用がひとりでに膨らむ構造が続いています。加えて、積み上がった国債の返済・利払いにあたる国債費も歳出を押し上げてきました。近年は防衛費の増額も新たな要因となっています。
税収は危機で落ち込みながらも過去最高を更新
真ん中の緑の線(税収)は、歳出ほど滑らかではありません。2007年度に一度53兆円台まで伸びたあと、2008年のリーマン・ショックによる不況で急落し、2010年度には37兆円台まで落ち込みました。企業の利益や個人の所得が減ると、法人税・所得税が大きく落ち込むためです。
その後は景気の回復や消費税率の引き上げ(2014年に8%、2019年に10%)を追い風に、税収は回復基調をたどります。とくに近年は、物価上昇や企業業績の好調を背景に過去最高を更新し続け、2025年度には約78兆円、2026年度には約84兆円に達しました。消費税が所得税・法人税を上回る最大の税目となったのも、この期間の大きな変化です。
危機のたびに膨らんだ借金(公債金)
一番下の赤い線(公債金=新たな借金)は、経済危機と連動して跳ね上がっているのが特徴です。リーマン・ショック後の2010〜2013年度には、税収の落ち込みを穴埋めするため公債金が44兆円前後まで膨らみました。2021年度にも、コロナ禍への対応で当初予算段階から43兆円台に増えています。
注意したいのは、このグラフが当初予算ベースだという点です。実際の決算では、危機対応のために年度途中で補正予算が組まれ、歳出も借金もさらに大きくなります。たとえばコロナ禍の2020年度は、当初102兆円だった歳出が決算では約147兆円まで膨張しました。当初予算のグラフは、いわば平常時の設計図であり、実際の支出はそれを上回ることが多いのです。
「ワニの口」は閉じるのか
歳出(青)と税収(緑)の2本の線が作る隙間は、しばしば「ワニの口」にたとえられます。上あご(歳出)と下あご(税収)の開きが、そのまま借金で埋めるべき財源不足を表しているからです。20年を通じて、この口はなかなか閉じませんでした。
ただし近年は、税収が力強く伸びたことで、ワニの口はやや閉じる方向に動いています。公債金(赤い線)も、2010年代前半の40兆円台から2025年度には29兆円前後まで下がりました。税収増を背景に、国の財政健全化の目標であるプライマリーバランスの黒字化が視野に入りつつある、とされています。
とはいえ、口が完全に閉じたわけではありません。歳出は社会保障費と国債費に押されて今後も増え続ける見込みで、金利の上昇は利払い費をさらに膨らませます。20年の推移が示すのは、税収が過去最高でもなお借金に頼らざるを得ない、日本財政の根深い構造です。これから20年でこの口を閉じられるかどうかが、次の世代への最大の宿題といえます。
よくある質問
Q. なぜ当初予算ベースで比較するのですか?
A. 決算には年度途中の補正予算が含まれ、危機対応の年は大きく膨らむため、年ごとの傾向を同じ条件で比べるには、毎年度の出発点である当初予算のほうが適しているためです。実際の支出(決算)は当初予算を上回ることが多くなります。
Q. 「ワニの口」とは何ですか?
A. 歳出と税収の推移を重ねたグラフで、両者の差が年々開いていく様子がワニの開いた口に見えることから、そう呼ばれます。その差の多くが借金(公債金)で埋められています。
Q. 税収が過去最高なのに、なぜ借金が続くのですか?
A. 税収の伸び以上に、社会保障費や国債費といった歳出が増えているためです。税収が最高でも歳出のほうが大きく、その差を新たな国債の発行で補う状態が続いています。
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本コラムは財務省・各省庁の公表資料をもとに作成した解説記事です。最終更新: 2026-07
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